| 表題 | 竹粉の内装壁材はいかがですか? [奈良県] |
| 出典 | センターだより 87:2005/10 |
| 執筆 | 奈良県森林技術センター 木材利用課 伊藤貴文 |
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生駒市北部の高山地区には竹関連の産業が集中しています。全国で9社ある編針製造業者のうち、8社が同地域にあり、また、同地域で製造される茶せんは国の伝統的工芸品に指定されています。おそらく同地域にはかつて、優良で高品質な竹材が豊富にあり、それを原料とした産業が生まれたものと考えられます。ちなみに、茶せんに使われるのはハチク(淡竹)で、茶道具にはマダケ(真竹)、編針にはモウソウチク(孟宗竹)やマダケが使われています。 ところで、編針製造業者は現在、荒削りした丸棒を原料として購入し、そこからの加工を同地域で行っています。真円にする加工と先端を尖らせる先付け加工が、切削工程では主な作業になります。いずれもサンドペーパーを使った研削加工で、年間10トンにも及ぶ多量のサンダーダスト(竹粉、図1)が地域内で排出されます。今までは、それを焼却したり、あるいは産業廃棄物等として廃棄してきましたが、平成15年に生駒商工会議所の事業として、竹研究会を立ち上げ、竹サンダーダストの有効利用について研究開発をすることになりました。当初のメンバーは、同商工会議所と編針生産業者のほか、NPO法人アタックメイト奈良と当センターでしたが、予備的な試験と調査を行った結果、それを建築内装用の塗り壁材料として利用することにしました。 塗り壁材料としようとしたのは、水を加えて攪拌するだけで粘土状になり、大きな経費をかけることなく自分達でも開発が進められると、既存製品が比較的高価で取引されていることと、得られる製品には調湿機能や脱臭機能などが期待でき、天然志向ブームも追い風になると予想されたためでした。 いよいよ本格的に実験を進めたところ、まず、問題になったのが、カビやバクテリアによると思われる腐敗でした。水を加えて粘土状にすると一週間もしないうちにカビが表面に発生しはじめ、そのまま放置しておきますと、全体が著しく変色してしまいます。そこで、食品や化粧品の保存剤として認可されているパラベンという薬品を、重量にして0.5%程度添加することで、この問題は解決しました(図2)。次に問題になったのが、壁として施工すると乾燥時に細かなひび割れが無数に生じることでした。竹の粉は水を含むことで膨張し、それが乾燥に伴って収縮するために生じる現象と考え、収縮を防ぐ鉱物の粉を添加しました。ひび割れは軽減できましたが、根本的な解決には至りませんでした。そこで、鉱物の粉のほかに、収縮に耐えうる強度を持たせるため、つなぎとなる天然の糊(ヘミセルロース)と針葉樹パルプを加えることにしました。その結果として、平坦な塗り方ではひび割れが発生しないようになりました。このようにして調製した壁材料(図3)は、予想どおり高い調湿機能があり、ホルムアルデヒドの除去機能とアンモニア臭などの脱臭効果にも優れていることが明らかになりました(図4)。 約80%が工場から排出される竹サンダーダストであることと、開発製品の新規性や市場性などが評価され、今年度には経済産業省の委託事業である「環境コミュニティー・ビジネスモデル事業」に採択されました。・・・・・ |
| ファイル名 | サイズ | 更新日時 |
|---|---|---|
| 奈良_たより87_01F.pdf | 303 KB | 2010/03/03 14:36:40 |