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表題 CLCS工法で建てたキャビン [奈良県]
出典 センターだより 86:2005/07
執筆 奈良県森林技術センター 木材利用課 柳川靖夫
本文から  環境に対する関心が高まるにつれ、木材の良さを再認識する人が増えています。そのため、一般消費者向けの木材製品も増えつつあり、その一つとして小型キャビンがあります。現在、市場には種々な木製キャビンが流通していますが、国産材を使用した製品は少なく、また、組立も容易とは言えない製品が見受けられます。そこで当センターでは、スギ間伐材等を使用した、組立が容易な木製キャビンの開発に取り組んできました。このキャビンの特長は、当センターが中心となって開発したCLCS工法を使用していることです。
 CLCS工法では、スギ間伐材等からなる板材2枚を一組とした部材でフレームを構成しますが、それぞれの接合部に、接着性能を高める特殊表面処理を行った鋼板を挿入し、接着接合としています。そのため接合部は、従来の釘やボルトのみの接合方法では得られにくかった、強固で粘り強い性質を示します。この工法では、あらかじめ作製しておいた4つのフレームを金具等で緊結し、キャビンの構造躯体を構成します。フレームは接着作業により作製しますが、キャビンをキット製品とする場合、フレーム作製済みとするか、フレームから組み立てるか、いずれかを選択する形態が考えられます。以下、屋根、床、窓や扉の取り付け作業などを終えると完成します。CLCS工法は壁板の取り替えが可能であり、また、任意の位置に窓やドアを設けることができます。そのため購入者の好みに合わせて、ある程度デザインを変更することが可能です。
 当センターでは、CLCS工法を使用した木製キャビンの普及のため、県内2カ所にキャビンを設置しました。一つは十津川村「ホテル昴の郷」内に、もう一つは王寺町の「菩提キャンプ場」内に設置しました。いずれも切妻屋根でほぼ同形であり、床面積は約6m2、高さは約2.6mです。主として県産のスギ材を使用し、屋根はアスファルトシングルで仕上げました。窓は3カ所設け、ドアは1カ所です。材料原価は、いずれも約30万円でした。
 図1は、ホテル昴の郷に設置したキャビンの完成図です。これは、現在ペットホテルとして使用されています。昨年度は、約50匹が宿泊しました。キャビンの固定は、鋼製杭とワイヤーとで地面に固定する簡易な手法ですが、数度の台風の来襲でも特に問題はありませんでした。
 図2は、菩提キャンプ場に設置したキャビンの完成図です。王寺町教育委員会の方々のご協力により、きれいな小屋に仕上がりました。現在は、キャンプ場利用者の休憩や木工工作などに利用されており、利用者にも好評のようです。
ファイル名 サイズ 更新日時
奈良_たより86_02F.pdf 392 KB 2010/03/03 14:34:05