| 表題 | ヤマブシタケの原木栽培 [奈良県] |
| 出典 | センターだより 86:2005/07 |
| 執筆 | 奈良県森林技術センター 森林資源課 小畠 靖 |
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1.ヤマブシタケとは? ヤマブシタケ(図1)をご存じでしょうか?一般的なきのこの特徴である傘や柄が無く、白い無数の針が集まり垂れ下がるような姿をしています。きのこ図鑑によると、修験道の山伏さんが着る篠懸衣(すずかけころも)に付ける結袈裟(ゆいけさ)に似ていることからその名が付けられたようです。このきのこは食用きのことして知られており、数年前からビン栽培(菌床栽培)でつくられたものがスーパーなどの店先に並ぶようになりました。中国では古くから宮廷料理や薬膳料理の珍しい食材として、また、漢方では胃潰瘍など消化器系の生薬として用いられてきました。さらに、最近の薬理学的研究により、ヤマブシタケに脳血管障害やアルツハイマー病の予防・改善へ効果を示すことが期待されるエリナシンやヘリセノンという成分が発見され、健康食品として注目を集めています。 2.原木殺菌法による栽培 ヤマブシタケはブナシメジやヒラタケと同様に、おがくずと米ぬか等を培地材料としてビン栽培で栽培することができます(図2)。しかし、この方法では殺菌釜や空調施設などを必要とし、現在、きのこのビン栽培をされている方でなければ直ぐに取り組むことはできません。また、シイタケやヒラタケの栽培のように、原木にドリルで開けた穴へ直接種菌を植えたり、原木の間に種菌を挟んだりする方法では、安定してうまくきのこを生やすことが出来ません。そこで、マイタケやマンネンタケでおこなわれている原木を煮沸あるいは蒸気で殺菌し、種菌を植える方法を試みました。原木殺菌法は煮沸殺菌の場合、煮沸のための容器(大鍋やドラム缶)以外特別な施設を必要とせず、比較的容易に取り組むことができます。 栽培の手順を図3に示します。原木を完全に殺菌するには、殺菌釜が必要ですが、冬季の雑菌の少ない時期であれば、煮沸による殺菌でも充分可能です。原木は入手の容易なコナラやクヌギが適用できます。この方法であれば、シイタケ栽培に使いにくい大径木でも使用可能です。用意した原木は、袋の大きさに合わせ、10~15cmに玉切ります。煮沸殺菌の場合は、殺菌後原木が熱いうちに袋に入れます(図4)。殺菌釜を用いる場合は、先に原木を袋に入れておいて殺菌します。どちらの場合も、翌日原木が完全に冷めてから種菌を植えます。12~2月の間に植菌をすませ、約2~3ヶ月間培養したものを3月下旬から4月上旬までに林内に伏せ込み、当年の4月中旬から6月まで、9月下旬から11月下旬までの年2回収穫することができます(図5)。 これまでの試験では、伏せ込み後3年目まできのこの発生を確認しています。きのこの収量や品質は、ホダ木の伏せ込み方法によって大きく影響を受けるようで、ホダ木が乾燥しないように灌水等の管理をしてやれば、ホダ木を積み重ねることで、大きく品質のよいきのこが収穫できることが分かりました。現在、効率的な伏せ込み方法や、収集した野生菌株の中からこの栽培に適した品種の選抜など、さらに検討を重ねています。 3.新たな特産品として ・・・・ |
| ファイル名 | サイズ | 更新日時 |
|---|---|---|
| 奈良_たより86_01F.pdf | 406 KB | 2010/03/03 14:21:30 |