| 表題 | ヤシオオオサゾウムシの防除について [鹿児島県] |
| 出典 | 鹿児島県林業技術研究成果集12:2008/07 |
| 執筆 | 鹿児島県森林技術総合センター 森林環境部 臼井陽介 |
| 本文から |
1.背景・目的 ヤシオオオサゾウムシはカナリーヤシ(フェニックス)やビロウなどに寄生する害虫で,幼虫が成長点などを食害することにより,寄生木は枯死してしまいます。 一見正常なヤシでも寄生されていることがあり,寄生の判断は困難です。葉が垂れ下がるなど様相が変化した場合,手遅れであることも多いため,枯死を防ぐためには防除を徹底する必要があります。 当センターでは本種の防除方法を確立するため,スミパインMC,アトラック液剤の2種について,殺虫効果についての調査を実施しました。 なお,スミパインMCについては2006年,アトラック液剤については2008年に農薬登録されています。 2.研究の成果 (1) スミパインMC スミパインMCは飛来してきたヤシオオオサゾウムシを殺虫するための薬剤です。この農薬を50倍に希釈し,カナリーヤシの頭頂部へ散布し,殺虫試験を実施しました。薬剤散布5週後,8週後,10週後,12週後に採取した枝と成虫(7~10頭)とを飼育容器に入れ,室内にて飼育し,7日間の死亡状況を観察しました。その結果,死亡率100%の期間が10週以上継続し,12週後に行った試験でも供試虫数の85%の死亡が確認されました(表)。このことから残効期間は2ヶ月半以上であると考えられます。 (2)アトラック液剤 アトラック液剤は,農薬を樹幹注入し,内部の幼虫を殺虫するための薬剤です。この農薬を樹幹体積1m3に対して400ml~600mlを注入します。ヤシ内部における農薬の濃度分析と併せた幼虫の殺虫試験では,400mlでは4ヶ月,600mlでは6ヶ月効果があると考えられます。一方,成虫に対する殺虫効果は確認できませんでした。 樹幹体積は,樹幹の形状は円柱形と仮定して算出します。ちなみに,樹高6m,胸高直径0.6mのカナリーヤシに,1m3当たり400ml注入しようとした場合,本農薬の注入量は680ml((0.6m/2)2×π×6.0m×400ml/m3=678.2ml≒680ml)になります。 3.普及のポイント (1)スミパインMC 成虫は3月から12月まで飛翔し,6~7月と9~10月と年2回飛翔のピークが確認されています。この農薬を2ヶ月に1回散布する場合,年6回,3ヶ月に1回散布する場合,年4回散布することになります。 しかし,カナリーヤシの管理を行っている造園会社では,5月と10月の年2回,飛翔のピークに合わせて本農薬を散布することにより,被害を抑えているという事例もあります。 (2)アトラック液剤 被害発生初期の段階で使用するのが良いと思われます。しかし,・・・ |
| ファイル名 | サイズ | 更新日時 |
|---|---|---|
| 鹿児島2008_02.pdf | 68 KB | 2010/02/17 14:29:32 |