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表題 ヤマブシタケの菌床栽培 [鹿児島県]
出典 鹿児島県林業技術研究成果集12:2008/07
執筆 鹿児島県森林技術総合センター 資源活用部 大久保秀樹
本文から 1.背景・目的
 近年,菌床栽培技術の進歩により様々なきのこが人工栽培されるようになっています。また,食材の多様化や自然志向が高まっている事もあり,国内におけるきのこの需要は伸びている状況です。しかし,大企業による大規模工場での生産が主流になり,県内の中小規模のきのこ生産者は厳しい競争を強いられているため,新たな品目のきのこの栽培技術開発に対する要望は根強くあります。
 そこで,森林技術総合センターでは平成17年度から「機能性きのこの栽培技術に関する研究」を立ち上げ,アルツハイマー病の予防に役立つ物質を含み高齢化社会を迎える中で注目されているヤマブシタケ(Hericium erinaceum)の栽培技術の研究を行いました。
2.研究の成果
(1) 菌糸成長温度
 培養温度を変えて行った培養試験の結果,ヤマブシタケの菌糸は15℃から35で成長が見られました。また,オガ粉培地における菌糸成長のピークは27℃付近でした。(図-1)
(2) オガ粉培地での適性
 培地基材・栄養材・配合割合を変えて行った培養試験の結果,培地基材(広葉樹オガ粉>針葉樹オガ粉),栄養材(フスマ>米ヌカ),配合割合(広葉樹オガ粉・・・基材10:1栄養材=基材5:1栄養材 針葉樹オガ粉・・・基材10:1栄養材>基材5:1栄養材)で成長が良好でした。(図-2)
(3) 発生条件
 温度を変えて行った発生試験(湿度90%)の結果,12℃程度が適温でした。16℃では成長は早いが針が発達せずサンゴ状のきのこになりました。
3.普及のポイント
(1) 種菌
 きのこ種菌一覧/2008年度版(平成19年11月 全国食用種菌協会発行)によると,ヤマブシタケの種菌は株式会社キノックス(宮城県仙台市),株式会社河村式種菌研究所(山形県庄内町)で販売されています。
(2) 培養温度
 菌自体の呼吸作用による発熱や害菌の侵入を考慮して,菌糸の成長適温より5℃ど低い22℃程度で培養するのが好ましいです。
(3) 発生操作
培養がすすむと培地表面に自然と菌糸塊ができて,成長すると瓶のキャップを持上げてしまうので,菌糸塊がキャップに付く前にキャップを外し発生室(12℃,90%)に移す。キャップに付いた場合は,一旦菌かきをした方が形の整った子実体になります。
ファイル名 サイズ 更新日時
鹿児島2008_01.pdf 32 KB 2010/02/17 14:27:10