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表題 シイタケの源基形成時期と数量の推定について [大分県]
出典 大分県農林水産研究センターきのこ研究所情報誌 くらんぷ 38号:2008/03
執筆 大分県農林水産研究センターきのこ研究所 主幹研究員 石井秀之
本文から  温暖化現象の影響により、栽培に適する条件に恵まれてきた本県でも生産のための環境は年々厳しくなってきています。このため、収穫を制御し生産や経営を安定化するための発生操作の役割が大きくなってきています。しかし、気象条件の変動が大きいことから、従来の経験則に基づく発生操作時期の決定が難しくなってきています。そこで、シイタケ発生の基礎となる原基の形成を数値的に捉えることによって、発生操作などの時期を具体的に決定できるのではないかと考え、原基の形成時期推定の可能性を検討した試験結果を報告します。
1.材料及び方法
 試験には、菌興115号の種駒を接種した2年ほだ木を用い、平成18年9月から19年4月まで、2週間ごとに3本づつ剥皮を行い、原基の形成数を調査しました。
 原基の形成影響を与える要因は、大きく分けると温度、水分、栄養、光、ガスがありますが、データを得やすい温度(気温)と水分(降水)を用いて、統計分析の手法(重回帰分析法)により原基形成数を推定するための計算式を作りました。
2.結果及び考察
 剥皮調査の結果を図1に示しました。また、同じ期間の気温と降水量を旬別のデータにして図2に示しました。原基は、調査期間の全体でみられ、図2と比較すると、気象条件の変化にともなって増減しているようにみえます。
 統計分析によって得られた推定のための式は、次に示すようになりました。また、導出された推定式に、実際の気温及び降水量の測定値を代入して理論値(原基形成数の式による推定値)を算出し、実測値と合わせて図3に示しました。
 得られた推定式は、重相関係数などから精度的にはまだ不十分と考えられますが、理論値の変化が実際の測定結果と大きな誤差がないことから、重回帰式による原基形成数の推定は可能ではないかと考えられます。
3.まとめ
 今回の検討の結果、重回帰式による原基形成数の推定は可能と考えられます。今後は、精度の向上を図るとともに気温や降雨との具体的な関係を明らかにし、簡易に使用可能な指標の作成について検討を行っていこうと考えています。
ファイル名 サイズ 更新日時
くらんぷ38_02F.pdf 397 KB 2010/02/17 14:08:06