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表題 福岡県産スギ挿し木品種の耐蟻性 [福岡県]
出典 福岡県森林林業技術センター どんぐり通信No.19:2008/03
執筆 福岡県森林林業技術センター 研究部資源開発課 石川景子
本文から 1.福岡県のスギ挿し木品種
福岡県には、八女地方を中心に多様なスギ挿し木品種があります。挿し木とは、植物体の一部を親木から切り取って土などに挿し、苗木を増殖させる方法です。挿し木によって成長した木は、親木と同じ遺伝子を持つ、いわゆるクローンのため、同じ品種同士は品質が揃っていることが知られています。そのため、それぞれの品種の品質をしつかり把握し、特徴を明らかにしておけば、消費者のニーズに応じたスギを安定供給することができると考えられます。そこで、当センターでは福岡県のスギ品種について品質調査を行っています。
2.消費者が木材に求めるものとは?
 当センターでは、県民の皆さん400人に対し、住宅に木材を使う場合どのような品質の木材を求めているのかアンケート調査を行いました。その中で木材の嫌いな点を質問したところ、シロアリに弱いという意見が最も多いことが分かりました。そこで、消費者の関心が高いシロアリに対する抵抗性(耐蟻性)をスギの品種間で比較することにしました。
3.スギの耐蟻性を調べる
 耐蟻性は以下のスギについて調べることにしました。36年生の①ホンスギ(精英樹名:浮羽5号)、②アカバ(同:八女10号)、③シチゾウ(同:八女9号)、④早良1号(実生スギ由来の精英樹)、そして種子から育成した実生スギです。これらを用いて2つの方法でイエシロアリを飼育し、その耐蟻性を調べました。
1)食害抵抗性の比較
 まず、どのスギ品種がシロアリに食べられにくいかを調査しました。各品種の心材部から、フロック状の試験体(10×10×20mm)を作製しました。写真2のように飼育容器に5品種の試験体を1個ずつ放射状に置き、これに福岡県内から採取したイエシロアリ(職蟻150頭、兵蟻15頭)を入れ、28℃の暗室で21日間飼育しました。飼育後、試験体の質量減少率を測定しました。これは、シロアリに食害された度合いを表し、値が小さいほど食べられにくい木であると考えられます。
 比較のために、一般的に耐蟻性試名実で用いられるアカマツ辺材の試験区も用意し、その質量減少率を測定しました。
 飼育中、シロアリアカマツ辺材の試験区で活発に飼育容器内を動いており、21日間の飼育後の死虫率は30%未満でしたが、スギの試験区では次第に動きが鈍<なり、飼育後の死虫率は44~100%に達しました。各品種の質量減少率を図1に示します。アカマツ辺材は3%近く質量が減少したのに対し、スギではどの品種もマツ辺材より相対的に低い値となり、シロアリに食べられにくいことが分かりました。品種間では、多少の値の差はあるものの統計的には差がないことが分かりました。
2)シロアリに対するスギ成分の影響
 スギ心材からは様々な抗蟻物質が発見され、・・・・・
ファイル名 サイズ 更新日時
福岡_どんぐり19F.pdf 742 KB 2010/02/17 11:18:48